茶道の心が繋いだ万博の舞台裏 「行きたいところへ」を叶えるおもてなしの輪
- Katsuyo Tanaka
- 9月17日
- 読了時間: 3分
皆様、こんにちは アリカエンタープライズの田中賀鶴代です。
皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は2025年8月24日(日)に開催されました大阪・関西万博でのイベントが無事に終了しましたことをご報告申し上げます。
当日は予想以上の、のべ1132人のお客様にご来場いただきました。おはこびいただきましたお客様、温かいご支援をお寄せいただきました全ての関係者の方々に心より厚く御礼申し上げます。感謝の思いでいっぱいです。

今回の万博出展は、私が接遇・茶道顧問を務めます「株式会社アドナース・ハンケイ5m」と、義足の女性ユーザーのコミュニティ「NPO法人ハイヒールフラミンゴ」が共同で立ち上げたプロジェクト『ikitoko+iko』によるものです。「行けるところではなく、行きたいところへ行こう。~綺麗をあきらめない~」という想いが込められたこのプロジェクトで、私自身は主に、志を同じくする方々の縁を結び、活動の心をスポンサーの皆様にお伝えして、その輪を広げていくという役割を担わせていただきました。

この活動は、私が皆様にお伝えしている茶道の精神、特に「和敬清寂(わけいせいじゃく)」の教えを、世界の舞台で発表する貴重な機会となりました。
和敬の心:多様な個性が響き合う舞台今回のプロジェクトは、義足ユーザー、そして車いすユーザーといった、実に多様な背景を持つ人々が手を取り合って創り上げたものです。それぞれの立場や経験を尊重し(敬)、一つの目標に向かって心を開き、協力し合う(和)姿は、まさに茶道の「和敬」の精神そのものでした。
イベントの中心となったのは、加藤千明さん、辰尾佳音さんが提唱する「#すわりコーデ®」のプレゼンテーションとファッションショーです。「#すわりコーデ®」とは、車いすユーザーの方々はもちろんのこと、「座って過ごすすべての人」に向けた、快適で美しいファッションの新しい視点です。
新聞でも大きく報じられたように、加藤さんと辰尾さんが舞台上で披露した鮮やかな「着物ドレスと着物」への早着替えは、多くの観客に感動と驚きを与えました。これは誰でも「綺麗をあきらめない」という、人間の内なる輝きを表現した瞬間でした。
清寂の心:「#すわりコーデ®」に宿る美しさ
茶道で大切にする「清」とは、目に見える清らかさだけでなく、心の清らかさをも意味します。「#すわりコーデ®」が目指すのは、単なる外見の美しさではなく、自分らしくあることから生まれる、内面の輝きです。
また、加藤さんの活動の原点には、同じ車いすユーザーであった亡きご親友との約束があります。悲しみを乗り越え、ご友人の遺志を継いで活動に邁進するその姿は、どんな時にも動じない「寂」の心に通じるものがあり、私たちの胸に深く響きました。

今回のプロジェクトでは、プレゼンテーションとファッションショーだけでなく展示もおこないました。誰もが楽しめる「盆略点前(ぼんりゃくてまえ)」の展示もあり、参加者の皆様も理解を深めておられました。


おもてなしの心で、茶事において亭主が、お客様のために心を尽くし、最高の場を整えるように、私もまた、この素晴らしいプロジェクトのために、裏方として心を尽くしました。人と人、心と心をお繋ぎし、一つの大きなうねりを生み出していく、これこそが、私がビジネスコンサルティングを通じて実現したい「おもてなしの心」の神髄です。
一杯のお茶を点てるように、これからも丁寧に皆様とのご縁を育み、誰もが自分らしく輝ける社会の実現に貢献してまいりたいと存じます。
改めまして、この度の万博出展にご協力いただきましたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。
有限会社アリカエンタープライズ
代表取締役 田中 賀鶴代
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